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2007年02月26日

カタカナ: アンコール

 袖に引っ込んだ音楽家を拍手でもって再び舞台に呼び込むあれである。encore(再び)という仏語に由来しているが、実はフランスでは「アンコール!」とは言わずにbis(繰り返し)という言葉を使う。ちなみにスタジオでは楽譜の繰り返し記号をビス、小節を繰り返すことをビスすると言う。
 ジャンルを問わず今やアンコールのない演奏会はほとんどない。聴衆側もアンコールはするものだと決めているし、演奏者側もアンコールされるつもりでセットリストを作る。予定調和度でいったら結婚式のスピーチといいとこ勝負である。
 そんなものはやめちまえ、とちょっと前なら吠えていたかしれないが、私も歳をとってぼやきたガールにトーンダウンしていることもあり、予定調和も悪くないと思っている(結婚式のほめほめスピーチも嬉しかった)。ただ、演奏のよくなかった日にはアンコールをしない応えないという意志は持ちたいものである。お互い甘やかしあったところでいいことはない。アンコ−ルは応えないのがクールだの二回以上応えるのは野暮だの色々いう人があるが、本編が良ければなんでもいいようなものだと私は思う、たかがアンコールですからね。
 そういえば8回アンコールに応えた人を見たことがある。ロシアの若いピアニストで、確かにその日の演奏はよかったけれど、3回目くらいから私は飽きてきて、おそらく本人も飽きていて、でも拍手が止まないのでその都度登場して小曲を披露する。また拍手する。登場する。そのうち「また出て来た」という意の失笑が漏れるようになり、彼のほうもやけくそになって馬鹿みたいに速いスピードで10秒ほど弾いては引っ込み、次は5秒になり、最後は「ラ」という一音を叩いて去って行った。会場は爆笑だった。そういうアンコールもある。

投稿者 shiori : 18:00

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コメント

去年の後半に、俺も嫁も敬愛する音楽家のコンサートに行ったと思いねえ、渋谷CCレモンに。
で、はっきり言うと不満なわけよ内容に。全くのでたらめでないことは分かるけど、楽しめないわけ。聞くうちにお互い隣が盛り下がっているのがびんびん伝わって来て。よくわからんうちに本編が終わり拍手…。え?君ら本当にこんなん好きなんか? え、まさか、そうなるの? で、アンコールですわ。さすがに帰ったろうかと思ったけどタイミングを逸し、鑑賞。 だめじゃん、本編にも増して。 終わるなり二人とも無言で退出、アンケートも書かない。
家に帰って頭を冷やし、翌朝になっても納得が行かず、御大のブログに一言書いてやろうとおもったら、「いろいろあって、ブログ辞めました。」合掌。
逃げんのかコルァ!
でも、あの3人が揃ったCM見ると目頭が。 当然5月の一夜限りのライブは、名義は違えど家族3人分申し込んだけどね。

あ、一応説明。
「名義は違えど」は、「家族」ではなく、「あの3人」にかかります。家族はまごう事なき同じ戸籍の3人です。

図書館で松田聖子の2枚組みベストBibles借りた。
最も聞きたかった天国のキッスとガラスの林檎が入ってなくてがっかり。渚のバルコニーも。
でも、赤いスイートピーと瞳はダイアモンドが聴けたからよしとするか。やっぱ、すごいなあの時代、林立夫、鈴木茂よ。

そうでしたか、よくなかったでしたか
本編にも増してアンコールも駄目だったというのは
想像してみるのですが
不味いうえに二日酔いがすごい酒といえばよいか
とにかく末期的ですね

Bible、持ってます
中古屋で1,000円で投げ売られていたので
血相を変えて買いました
ピンクのモーツァルトしかりガラスの林檎しかり
やっぱり細野さんの曲は私も好きです

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