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2006年02月13日

日記: 用意周到

朝祖母の部屋を覗くと、いつもはすやすや寝ているはずなのに寝台の脇にちょこんと腰かけてきょろきょろしている。どうしたの、と聞くと「昨日地震があっとろ?揺れてからでは遅いけん、揺れる前になんぞ袋に詰めとこうおもて見よるんよ、そやけんど入れとくもんもないわい」とのこと、生きる気満々で結構である。「おばあちゃん、安心してや、いざとなったらあたしがおぶって逃げてあげるから」と申し出ると「へえへえお願いしますよ、そやけどいざとなったらあたしもけっこう歩くよ、杖やなんかほっぽり出して飛ぶように走るかしらん」と大きく出たものだ、疾風のごとく駆け出す祖母、なかなか痛快だろうと想像する。ここのところ祖母と二人暮しにつき、彼女も話し相手に不足しているのだろう、唐突に居間にやって来て私の顔を見て「あんたもさみしい?」と聞く。なんだってそんなにかわいい言い方をするのか、仕方ないので作業を中断して祖母と茶をしばく昼下がり。

投稿者 shiori : 09:09

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