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2005年04月08日

日記: 霧島〜唐津1

完治、というわけにはいかなかったが
強行してしまえば何とかなりそうな体調だったので
宮崎を離れることにする。昨日からの雨も止み、本日晴天。
さあ、どこへ行こう、と地図を眺めれば、宮崎がどれほど辺境の地なのか身にしみる。どこへ行くにもぐるっとまわらなあかんのですわ。
おまけに明日の晩は博多で約束がある。ことなどを考えて、霧島温泉に出かけることにした。つまり、また鹿児島に戻るわけです。
宮崎でレンタカーを借りて、霧島に一泊して、宮崎空港でレンタカーを返して、飛行機で博多まで。ホテルを予約して、慌ただしく出かける。
九州はいうなれば過疎の地なので、渋滞などは一切ない。おまけに春休みが明けてすぐの平日なので、不安になるほど人影はまばらだった。出発して2時間もかからぬうちに霧島に到着する。
せっかくなので山登りでも、と妙なスポ根を出して韓国岳に登る。思った以上にハードで、思った以上にどうでもいい山だった。頂上は一面霧におおわれて、むきだしの赤い岩にはカラスが止まり、不吉な声で鳴いては別の岩に飛び移る、なんともおどろおどろしい風景だった。
「なれの果て」とでもいうような朽ちた雰囲気と、一説には神々発祥の地と言われるように、霊魂が息づいていそうな生命感が同居している、奇妙な場所だった。どこまでも山深く、どこまでも霧は濃かった。こういう感じは本州にはない。
まだ日が高いので、高千穂牧場に動物をからかいに行く。ものすごいうんこ臭だった。ヤギの糞はばっちり粒ぞろいだった。
そんな中、結婚式を挙げているカップルがいて驚く。高原リゾートで挙式!みたいな馬鹿げたアイディアにうっとりしてしまったらしい。ものめずらしそうに振り返る通行人の視線にいっそう得意げに振る舞う新婚さんだった。こんな状況で堂々としていられるんだから、人生のたいがいの困難は乗り切れるはずだ、というのがミック(仮名)の意見だったが、私も同感だ。踏み絵のような結婚式・・・いや、それをいうなら、結婚式自体が踏み絵じゃなかとね・・・
気を取り直して、ホテルへ向かう。あたりにはもうもうと湯気だかガスだかが立ちこめていて、硫黄臭が鼻をつく。源泉がある証拠だ。
案の定、湯質はかなり良かった。かつて坂本竜馬が新婚旅行で訪れ、斬られた傷を湯治したとも言われているらしいが、私の小さな切り傷もあっという間に直ってしまった。何とも馬鹿でかい風呂で、しかも客はほとんどおらず、岩風呂からジャクジーから打たせ湯から一人占め、大声で歌ったりして満喫した。
食事は久々の洋食。しかし九州の特色として、食材は絶品だがコックの腕はもうひとつ、という点は他と変わらなかった。赤ワインは美味しかった。
食事のあと、もう一度入浴。そして前後不覚で就寝。
枕元で読むために携帯している文庫本、澁澤龍彦『世界悪女物語』は1ページも開いていない。

投稿者 shiori : 15:09

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